人事が全社を巻き込み開始した、三菱重工の未来を築くウェルカムバック採用

三菱重工業株式会社:福岡さん

(三菱重工業株式会社:福岡さん)

課題

⚫︎社内からの人員のニーズ高まり、キャリア採用として採用量&質を担保するためにさらなる採用チャネルを確立する必要があった。
⚫︎退職者活用については、既存のジョブリターン制度(キャリア・リターン制度)はあるものの、適用要件が結婚・育児・介護等限定的なものであった。
⚫︎また、通常の自己都合退職者について、再入社を拒む制度のようなものは存在しないが、文化的・心理的なハードルがあり、再入社は困難なものと思われている雰囲気があった。

解決策

⚫︎退職者からの応募を待つだけでなく、企業から積極的なアプローチをしていき、経験者として受け入れる方針へ。
(三菱重工を退職後に得た、新たな経験やスキルを活かして再度活躍頂くことを期待)
⚫︎上記を実現するために、Alumyを活用しウェルカムバック採用サイトを立ち上げ。企業からは社内情報や求人情報などを発信する場所として、対外的な広報を実施。

効果

⚫︎開始して間もなく、想定を超える退職者の方が登録
⚫︎退職者からはコーディネーターを通じて幅広いカムバックニーズを確認
⚫︎社内でも、現場や経営陣からの「ウェルカムバック採用を活用したい」という期待の声も聞こえ始めた

三菱重工グループは、高い技術力に最先端の知見を取り入れ、カーボンニュートラル社会の実現に向けたエナジートランジション、社会インフラのスマート化、サイバー・セキュリティ分野の発展に取り組み、人々の豊かな暮らしを実現しております。採用活動では、多様なスキルや経験、価値観を持つ人材の獲得を強化中。その一環としてAlumyを導入し、ウェルカムバック採用も新たに開始。今回のプロジェクトを推進する採用チームの福岡さんに導入の背景や今回の取り組みについてお伺いしました。

兆しはあったものの、最大限活用できていなかった退職者とのつながり

ー 導入当時に皆さんの抱えていた課題について教えてください。
福岡さん: カーボンニュートラルの実現や地政学リスクの高まりによる安全保障強化の機運の高まり、エネルギーセキュリティの意識の高まりなどを受け、採用活動でも年間3桁人数を超える採用を求められておりました。事業特性上、専門性の高い人材を求めるポジションが多く、人材紹介を中心に採用活動を実施していました。ただ、採用チームとしてはこれまで以上に安定した採用を実現するために、当時様々な採用チャネルの開拓を模索していたことを覚えております。
退職者については、2007年からキャリア・リターン制度を設けておりましたので、時折戻ってきている方もおりました。ただ、同制度は結婚・出産・介護等限定的な退職事由を対象にした制度だった為、それ以外の理由で退職した方々へのアプローチは十分とは言えず、退職者という貴重な人材を有効に活用できていなかったのだと思います。
取材に協力してくださった福岡さん
ー ウェルカムバック採用についてどのように考えておりましたか?
福岡さん: 個人的には会社としてジョブ・リターン制度を設けていることもあり、ポジティブな印象でした。 会社としても以前から、結婚や出産、介護など限定的な事由で辞めた方を対象にしたキャリア・リターン制度を取り入れており、戻ってきている方も少なからずいたので会社の風土としてもマッチする素養はあると思っておりました。
ただ、退職理由が限定的だったことから、広くたくさんの方に使っていただけるものではありませんでた。上記のような背景もあり、「コミュニケーションを取れる土台があることで、より多くの方がもどってくるのでは?」という発想に至りました。
ー 社内からはどのような声があがりましたか?
福岡さん: ウェルカムバックを進めることについては、当初から前向きな声が多かったです。ただ、一部の方からは、「離職率があがるのではないか」という不安の声もありました。
そこで単に制度として始めるのではなく、社内風土を変えるまで広げていき、全社が注目する施策を目指しました。通常、このような施策ではスモールスタートでやって全社展開というケースが多いのですが、ウェルカムバック採用については、最初から全社を対象として進めることとしました。
取材に協力してくださった福岡さん

開始してすぐに、社内からポジティブな声が多数

ー 今回のウェルカムバック採用の仕組みで重視されていたポイントはありますか?
福岡さん: 本質的な活用を考えたときには、単に名簿管理ができるだけでなく、当社として退職者に対してお声がけをしていくこと。そして退職者の声を聞き、次の情報発信につなげていくこと。双方向のコミュニケーションをしっかりと作ることを意識しておりました。
双方のコミュニケーションをデータとして残し、現場が使いやすい状態を整えることを考えると、自社での運営ではなくサービスの導入が必要という判断に至りました。
ー Alumyのどの点が貴社にとっての最大のメリットでしたか?
福岡さん: ランニングコストがかからない点や工数が削減できるという点が決定ポイントとなりました。冒頭でお話ししたように、長いスパンで取り組みたいと思ってはいましたが、仮に軌道に乗らなかった場合のことを考えると、そこにコストを投下することは懸念点として挙がっておりました。
また、一定の作業量は発生すると思っておりましたので、その際の運用負担についても不安がありました。
キャリア採用の1つのチャネルという意味付けが強かったので、採用担当が役割を担っていましたが、しっかりと運用はしたいもののどこまでやりきれるか・・。
これらの不安を解消にむけてサポートが得られそうなところが、Alumyを選んだポイントになります。成約報酬型であったので、通常の採用予算の範疇として社内的にも理解を得ることができますし、また、運用面ではコーディネーターが退職者への連絡やニュースの作成など幅広くサポートしていただけるとのことでしたので、安心して運用に臨むことができました。
ー 導入してどのような影響がありましたか?
福岡さん: プレスリリースとともに運用を開始しました。開始して間もないですが、想定を超える退職者の方に登録いただけました。また、社内の声としては、「いい取り組みだね」と声をかけていただくことが多いです。採用を強化している中で、拠点のHRは採用に苦慮していることもあるので、「新しくチャンネルが増えるのはいいね」との期待いただけております。
現場だけでなく、経営幹部の方からも「ウェルカムバック採用を使いたい」との問い合わせが増えており、退職者の人材プールに対する期待が大きいと感じています。こうした社内の期待に応えるべく、これからもプールをしっかり作っていきたいです。
ー 今後の活用予定について教えてください
福岡さん: まずは、既に複数件の応募をいただいているので、Alumy経由での再入社実績を生み出していきたいと思います。
まだ開始したばかりですが、情報の発信や新しい求人の広報など、退職者向けに出せる案件などを積極的に出し、当社と退職者の繋がりをしっかりと残していきたいです。集めて終わりではなく、既存登録者の満足度を高めたり、繋がりを強くしたりすることで、ウェルカムバック採用を当たり前の採用施策にしていくことを目指します。
そして、当社退職後に得た新たな経験やスキルを活かして、当社で再度活躍頂ける人材を増やしていければと考えています。
ー 引き続きAlumyがお役立ちできるよう改善を進めてまいります。貴重なお話をありがとうございました!

※掲載内容は取材当時のものです。